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独奏夜想曲
ロイ視点ロイ→エドの同級生学パラ。
アルがエドの弟で同級生で同じクラス設定です。(双子ではないけど)
無自覚と言うのは本当に恐ろしい。
独奏夜想曲
「エドってさ人間性にかけてるよな。」
これは俺の中の確信ある事実だ。断じて仮定だとか、思いこみだとかそんなものではない。
しかし、そんな俺とは裏腹に本人の反応は、「はぁ?」だ。
だからどうしてそこで「はぁ?」とか言う疑問系な言葉が出てくるのかが俺は不思議でならない。
しかも「俺様ほどできた人間はこの世のどこを探してもいない!!」とまで言い出したのだ。嘘付け。
俺の答えは「なわけあるか。」の即答だ。
「それでよく生徒会長になれたな。」
はぁ。ため息もいいとこだ。
そう。彼はこれでもこの学園(男子校)の生徒会長なのだ。
ちなみに俺とアルフォンスは副会長を務めている。
俺が担任から
「生徒会役員に立候補しないか?」と頼まれたときに、
「エドが会長ならいっか。」という安易な考え方で、
「兄さんが会長なんて…、(学園の未来が)心配すぎる。」
という判断でアルフォンスもOKしたのだ。
もちろん俺、エド、アルフォンスの人気は言わずもがななので結果三人ともエスカレーターに当選してしまった。
他メンバーは、芋づる式に書記ハボック、ブレダ、会計ヒューズ、フュリーである。
―――と、そこはまた今度話すとして問題なのは彼の人間性=生活力なのだ。
話しそびれていたが今は授業も終わって、寮の部屋の中だったりする。
この学校(悲しきかな男子校)は全寮生で二人部屋なので俺はエドと、アルフォンスはハボックと同じ部屋だったりする。
そして今にいたる。
エドはと言うと俺の小言(まぁ、これも事実なのだが、エドは断じてこれを俺の戯れごとだとしてゆずらない。)にぶつぶつとささやかな?反論をしている。
「アルフォンスというできた弟が育つのものも一理あるな。………あぁ、アルが可哀想だよ。」
と、俺が嘆くと、
「なんだとぉ〜!」
「ホントに、アルは何年苦労してきたんだろうな。」
俺の目の前ベットに座っていたエドはもうふて腐れた様子だった。そりゃそうだ。
「アルアルアル…。確かにアルは“できた弟”だけどさっ!」と吐き捨てながら、エドはそっぽを向いた。そんな彼に俺はますます釘を刺す。
「でも実際、アルフォンスがいなかったらエドが今この瞬間まで生きてたかどうかさえ疑うぞ。」
「っそれはいくらなんでも大袈裟だろ!!」
「ああ。冗談だ。」
でも本当にエドは人間性とくには生活力にかけているのだ。
**********
つい先日の話しだ。
エドの集中力は言うまでもなく、ずば抜けてといっていいほどいい。そのお陰で本人の体内時計はいささか…、訂正“大夫”だ。狂っている。
一番彼がそうだと、つまりは集中してしまうのは読書のときなのだ。
それは昼休み。ちょうど後ろの席のエドが本を読んでいたのだが、
キーンコーンカーンコーン。
昼休みの終わりを告げる予鈴がなった。
しかし、エドはというと、未だに本を読んでいる。
校内中に響き渡るチャイムでさえ集中しているときの彼には聞こえないらしい。
いくらなんでもこのままでは彼は本を読み終えないかぎり、授業が始まって終わるのを気づかないだろう。
良心ある?俺は、仕方なく俺は本の世界に入りきっている彼を起こしにかかった。
―――しかし、エドが簡単に本の世界から現実に戻ってくれるわけもなく…。
「エド〜。授業始まるぞ?おーい。」
エドの前で手をヒラヒラさせながら呼びかけるが、応答なし。俺の呼びかけに全く無視だ。
この後、俺の一方的な呼びかけ(本人が気づかないため)が続くのだが、ちょうど授業開始のチャイムくらいで呼び戻すことができた。
こんなことをこれまで何度もやってきたアルフォンスには俺も感服している。
やっと入った休憩時間で俺たちはエドの席の周りに集まっていた。(と言っても俺はエドのまえの席なのだが)
「すみません。ロイさん。」とアルフォンスが謝る。
席が俺たちと遠く今日は用事があったため、いつもは自分が本に没頭していた兄を呼び戻す役を俺がしてくれたことへの礼なのだろう。
「いや。アルフォンスは悪くないよ。…エドの集中力はどうにかしてもらいたいがな。」
「なに言ってんだよ。」俺が一つ嫌みを言ったところで本人の登場だ。
「兄さん。僕もロイさんと同意見だよ。いっつも困るのは僕たちなんだからね。」
「なっ…。アルまでそんなこと言って!」
エドにはガーンというマークが頭上に出てきそうな勢いだ。ひょっとしたら、キノコでもでてたかもしれない。
―――が、俺もある意味の被害者なので、アルフォンスの言葉に反論する気もない。
「まぁ、エドそう落ち込むな。」ここでエドに第三者からの救いの手が差しのべられた。
「ハボック。」
「ハボックさん。甘やかさないでいいですよ。兄さんにはこれぐらいでちょうどいいんです。」
「もっともな意見だな。」
「うぅっ。ロイもアルも何だよ!!」
エドはすっかりご機嫌斜めだ。
「だから、兄さんが迷惑かけてるのは自分の身体だけじゃないんだからね。僕やロイさんだって心配してるんだよ。僕はあんまり周りの人に心配かけさせないでって言いたいの。」
これじゃぁどっちが兄だかわかりゃしない。
結局、エドが弟アルフォンスに丸めこまれ、ハボックが慰めるというなんとも言い難い結果となったのは言うまでもない。
他にもエドの人間性=生活性のなさは数知れず。
昔肉屋の女房に教わって、料理ができたことだけでもよかったと褒めてしまうところなのだ。
そして、エドは小さいときからアルフォンスと二人暮らしだったのせいなのか、俺やハボックにはものすごく懐いている。
アルフォンス曰く
『兄さんはきっと家族のような愛情をロイさんに求めてるところがあるんでしょうね。僕に見せるのとまた違って。』
と言っていたような一面もエドにはあると思ってる。
これも俺の確信だ。エドの隣にいるからこその。
人間性がとか生活力がどうとか言うのも所詮はは俺がエドを認めているからなのだ。普段他人という存在に興味を持たない方なので驚いているが。
**********
「ロイのばーか。ばーか。」といつの間にかベットの上で寝ころびバタバタし始めた。
「こら。エド。やめなさい。埃が飛ぶ。」
俺はエドを鼻であしらって、エドが乗っているベットに座った。
「ロイ〜。一緒に寝る?」
先程まで散々俺を馬鹿呼ばわりして気が済んだのが、エドの機嫌はもうなおっていた。
どうやらこんな冗談まで言えるぐらいになったらしい。きっとさっきの復讐だ。
「いや。遠慮しとくよ。」
と、俺が断りの言葉を述べると
「なんだよ〜。つれないなぁ。」
ぶーっと頬を膨らませて拗ねてしまった。
一緒に寝るのはいくら俺でも(理性の制御が)無理だと思っただけなんだけど。
俺はエドにずっと想いをよせてる。これは出会った高校一年のときからずっと。
俺が副会長をやる気になったのもエドの隣にすこしでもいたいからだ。
エドの前の席も、寮の同室も、副会長の件もエドが
『ロイに決まってるだろ。』
と言うたびに俺の心は嬉しく跳ねるのだ。こういう自分を我ながらすごく純情だと思う。
まぁ、エドには気づかれないようにしなければならない。
これは今の関係の維持と、何より俺の命の保証のためだ。
アルフォンスに気づかれてはもとも子もない。
(ああ見えて彼は、これまでエドに近づいてきた輩をこてんぱんにたたきのめしているのだ。)
と言っても、勘の鋭い彼のことだからとっくに気づいているんだろうけど。人は見かけによらないものである。
エドはいつだって猫のように気ままで、きっと今も俺に友達以上、家族ぐらいの信頼を無条件に寄せている。
「無自覚は罪となる」という言葉を説いた人物はいないのだろうか、否、俺がここで説いてもいいだろうというくだらないことさえも切実に思えてくる。
俺からするとその無自覚な甘えはときとして残酷なものなのだ。
でも、俺はこのままその罪な無自覚に付き合っていくつもりだ。
エドがその“罪”に気づく日まで、ね。
…あっ、一カ所訂正。
「ほどほどに。 」だな。
END
アルがエドの弟で同級生で同じクラス設定です。(双子ではないけど)
無自覚と言うのは本当に恐ろしい。
独奏夜想曲
「エドってさ人間性にかけてるよな。」
これは俺の中の確信ある事実だ。断じて仮定だとか、思いこみだとかそんなものではない。
しかし、そんな俺とは裏腹に本人の反応は、「はぁ?」だ。
だからどうしてそこで「はぁ?」とか言う疑問系な言葉が出てくるのかが俺は不思議でならない。
しかも「俺様ほどできた人間はこの世のどこを探してもいない!!」とまで言い出したのだ。嘘付け。
俺の答えは「なわけあるか。」の即答だ。
「それでよく生徒会長になれたな。」
はぁ。ため息もいいとこだ。
そう。彼はこれでもこの学園(男子校)の生徒会長なのだ。
ちなみに俺とアルフォンスは副会長を務めている。
俺が担任から
「生徒会役員に立候補しないか?」と頼まれたときに、
「エドが会長ならいっか。」という安易な考え方で、
「兄さんが会長なんて…、(学園の未来が)心配すぎる。」
という判断でアルフォンスもOKしたのだ。
もちろん俺、エド、アルフォンスの人気は言わずもがななので結果三人ともエスカレーターに当選してしまった。
他メンバーは、芋づる式に書記ハボック、ブレダ、会計ヒューズ、フュリーである。
―――と、そこはまた今度話すとして問題なのは彼の人間性=生活力なのだ。
話しそびれていたが今は授業も終わって、寮の部屋の中だったりする。
この学校(悲しきかな男子校)は全寮生で二人部屋なので俺はエドと、アルフォンスはハボックと同じ部屋だったりする。
そして今にいたる。
エドはと言うと俺の小言(まぁ、これも事実なのだが、エドは断じてこれを俺の戯れごとだとしてゆずらない。)にぶつぶつとささやかな?反論をしている。
「アルフォンスというできた弟が育つのものも一理あるな。………あぁ、アルが可哀想だよ。」
と、俺が嘆くと、
「なんだとぉ〜!」
「ホントに、アルは何年苦労してきたんだろうな。」
俺の目の前ベットに座っていたエドはもうふて腐れた様子だった。そりゃそうだ。
「アルアルアル…。確かにアルは“できた弟”だけどさっ!」と吐き捨てながら、エドはそっぽを向いた。そんな彼に俺はますます釘を刺す。
「でも実際、アルフォンスがいなかったらエドが今この瞬間まで生きてたかどうかさえ疑うぞ。」
「っそれはいくらなんでも大袈裟だろ!!」
「ああ。冗談だ。」
でも本当にエドは人間性とくには生活力にかけているのだ。
**********
つい先日の話しだ。
エドの集中力は言うまでもなく、ずば抜けてといっていいほどいい。そのお陰で本人の体内時計はいささか…、訂正“大夫”だ。狂っている。
一番彼がそうだと、つまりは集中してしまうのは読書のときなのだ。
それは昼休み。ちょうど後ろの席のエドが本を読んでいたのだが、
キーンコーンカーンコーン。
昼休みの終わりを告げる予鈴がなった。
しかし、エドはというと、未だに本を読んでいる。
校内中に響き渡るチャイムでさえ集中しているときの彼には聞こえないらしい。
いくらなんでもこのままでは彼は本を読み終えないかぎり、授業が始まって終わるのを気づかないだろう。
良心ある?俺は、仕方なく俺は本の世界に入りきっている彼を起こしにかかった。
―――しかし、エドが簡単に本の世界から現実に戻ってくれるわけもなく…。
「エド〜。授業始まるぞ?おーい。」
エドの前で手をヒラヒラさせながら呼びかけるが、応答なし。俺の呼びかけに全く無視だ。
この後、俺の一方的な呼びかけ(本人が気づかないため)が続くのだが、ちょうど授業開始のチャイムくらいで呼び戻すことができた。
こんなことをこれまで何度もやってきたアルフォンスには俺も感服している。
やっと入った休憩時間で俺たちはエドの席の周りに集まっていた。(と言っても俺はエドのまえの席なのだが)
「すみません。ロイさん。」とアルフォンスが謝る。
席が俺たちと遠く今日は用事があったため、いつもは自分が本に没頭していた兄を呼び戻す役を俺がしてくれたことへの礼なのだろう。
「いや。アルフォンスは悪くないよ。…エドの集中力はどうにかしてもらいたいがな。」
「なに言ってんだよ。」俺が一つ嫌みを言ったところで本人の登場だ。
「兄さん。僕もロイさんと同意見だよ。いっつも困るのは僕たちなんだからね。」
「なっ…。アルまでそんなこと言って!」
エドにはガーンというマークが頭上に出てきそうな勢いだ。ひょっとしたら、キノコでもでてたかもしれない。
―――が、俺もある意味の被害者なので、アルフォンスの言葉に反論する気もない。
「まぁ、エドそう落ち込むな。」ここでエドに第三者からの救いの手が差しのべられた。
「ハボック。」
「ハボックさん。甘やかさないでいいですよ。兄さんにはこれぐらいでちょうどいいんです。」
「もっともな意見だな。」
「うぅっ。ロイもアルも何だよ!!」
エドはすっかりご機嫌斜めだ。
「だから、兄さんが迷惑かけてるのは自分の身体だけじゃないんだからね。僕やロイさんだって心配してるんだよ。僕はあんまり周りの人に心配かけさせないでって言いたいの。」
これじゃぁどっちが兄だかわかりゃしない。
結局、エドが弟アルフォンスに丸めこまれ、ハボックが慰めるというなんとも言い難い結果となったのは言うまでもない。
他にもエドの人間性=生活性のなさは数知れず。
昔肉屋の女房に教わって、料理ができたことだけでもよかったと褒めてしまうところなのだ。
そして、エドは小さいときからアルフォンスと二人暮らしだったのせいなのか、俺やハボックにはものすごく懐いている。
アルフォンス曰く
『兄さんはきっと家族のような愛情をロイさんに求めてるところがあるんでしょうね。僕に見せるのとまた違って。』
と言っていたような一面もエドにはあると思ってる。
これも俺の確信だ。エドの隣にいるからこその。
人間性がとか生活力がどうとか言うのも所詮はは俺がエドを認めているからなのだ。普段他人という存在に興味を持たない方なので驚いているが。
**********
「ロイのばーか。ばーか。」といつの間にかベットの上で寝ころびバタバタし始めた。
「こら。エド。やめなさい。埃が飛ぶ。」
俺はエドを鼻であしらって、エドが乗っているベットに座った。
「ロイ〜。一緒に寝る?」
先程まで散々俺を馬鹿呼ばわりして気が済んだのが、エドの機嫌はもうなおっていた。
どうやらこんな冗談まで言えるぐらいになったらしい。きっとさっきの復讐だ。
「いや。遠慮しとくよ。」
と、俺が断りの言葉を述べると
「なんだよ〜。つれないなぁ。」
ぶーっと頬を膨らませて拗ねてしまった。
一緒に寝るのはいくら俺でも(理性の制御が)無理だと思っただけなんだけど。
俺はエドにずっと想いをよせてる。これは出会った高校一年のときからずっと。
俺が副会長をやる気になったのもエドの隣にすこしでもいたいからだ。
エドの前の席も、寮の同室も、副会長の件もエドが
『ロイに決まってるだろ。』
と言うたびに俺の心は嬉しく跳ねるのだ。こういう自分を我ながらすごく純情だと思う。
まぁ、エドには気づかれないようにしなければならない。
これは今の関係の維持と、何より俺の命の保証のためだ。
アルフォンスに気づかれてはもとも子もない。
(ああ見えて彼は、これまでエドに近づいてきた輩をこてんぱんにたたきのめしているのだ。)
と言っても、勘の鋭い彼のことだからとっくに気づいているんだろうけど。人は見かけによらないものである。
エドはいつだって猫のように気ままで、きっと今も俺に友達以上、家族ぐらいの信頼を無条件に寄せている。
「無自覚は罪となる」という言葉を説いた人物はいないのだろうか、否、俺がここで説いてもいいだろうというくだらないことさえも切実に思えてくる。
俺からするとその無自覚な甘えはときとして残酷なものなのだ。
でも、俺はこのままその罪な無自覚に付き合っていくつもりだ。
エドがその“罪”に気づく日まで、ね。
…あっ、一カ所訂正。
「ほどほどに。 」だな。
END
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